何者もコーサンとの決着の邪魔はさせないという決意がカミーロをよりいっそう強くしていた。
 戦いを重ねる程、戦いの中から何らかのスキルアップをどんどんしていっていた。
 戦えば戦う程、カミーロはより強くなっていった。
 疲労よりも戦いによる高揚感――ゾーンのようなものが彼の身体を絶えず成長させていった。
 コーサンの方ももはやフィンガーベルト保持者ではカミーロの相手にはならないと判断したのか、刺客があまり現れなくなった。
 出てくる刺客はアームベルト保持者ばかりだった。
 闇の中の刺客以降も様々な時代のアームベルト保持者達が刺客としてカミーロの前に立ち塞がった。
 数も1名ではなく、複数名で来るようになっていた。
 最大、12名での連携攻撃にはさすがのカミーロも多少危なかったが、戦闘経験を積むと大分慣れてきたのかアームベルト保持者が束になってかかってきても決して引けを取らない戦闘力を身につけていた。
 そして、刺客を送るコーサンの方にも変化があった。
 ついに、片腕ではなく、両腕のアームベルト保持者が刺客として現れた。
 刺客の名前はスダロベ。
 これまでのアームベルト保持者とは格が違う存在だった。
 だが、アームベルト保持者数名と互角以上に戦えるようにまで成長していたカミーロはこの強敵に対しても決して引けを取らない戦闘力を有していた。
 スダロベの特徴は3秒毎に身体が完全に崩れるという事だ。
 身体が完全に崩れた後、次の3秒でまた元に戻る。
 攻撃を当てに行ってもタイミングがあわず、身体がグズグズに崩れてしまう。
 その上でまた、再生を繰り返すので、固定化された相手に対する戦い方とは攻撃の間合いが全く違ってくる。
 カミーロ自身、この様な相手と戦うのは初めてなので、勝手がわからず苦戦した。
 光影で切り裂こうにも勝手に崩れるので、手応えが無い。
 【完全浄化】しようにも浄化した部分を切り離してしまうので、決定打にはならない。
 だが、スダロベにとってもカミーロは厄介な相手と言える。
 カミーロの【完全浄化】はスダロベの身体を少なからず浄化してしまう。
 なので、その部分を切り離して対抗しているが、切り離せば切り離す程、スダロベの身体は小さくなる。
 戦い始めた頃にはカミーロの三倍はあった体格も今では二倍を切っている。
 カミーロに迂闊には攻撃出来ないので、間合いを計って攻撃をしているがこちらも決定打にはならない。
 スダロベには時間が一日しか与えられていない以上、状況を打破しないといけないのはスダロベの方だった。
 カミーロとの決着をつけるべく、スダロベは分裂した。
 二つに肉体を分けて、挟み込む形でカミーロに襲いかかった。
 だが、冷静さを欠いた攻撃がカミーロに通用する訳も無かった。