蛍光塗料を塗られた男は攻撃してこようとせず、一定の間合いを保ち、壁になる事に徹していた。
 攻撃してこないならば、用はないとばかりに、カミーロはその囮を踏み台にして、影に潜む二名の内の一名に致命の一撃を与えた。
 敵は一瞬、ひるんだ。
 なぜ、囮役を攻撃してこないのかと驚いた。
 その一瞬の隙をついて、今度は囮役に必殺の一撃を当てた。
 残すは、姿の見えない一名のみ。
 戦術を間違えた時点で、カミーロにとって有利に事は運んでいたのだ。
 カミーロは意識を集中するのを一瞬、解いた。
 敵はカミーロが敵を全て倒して油断したと思った。
 そして、攻撃を仕掛けてくる。
 が、それもカミーロによる罠だった。
 緊張を解いたと思わせて、すぐに再び意識を集中し、飛び込んで来る敵の空気の流れを読んでとどめの一撃を与えた。
 三名を倒した後、闇が晴れて来た。
 難敵ではあったが、今のカミーロはコーサンとの決着のためにかつてない程、意識を集中している。
 実力を大きく上回る実力が出ている状態だった。
 今のカミーロは普段の数倍は強いと言えた。