再生能力を持つ不老不死はそこに異物が少なからず混ざっているものである。
 再生している内に外部の異物を取り込む事になるからだ。
 カミーロの【完全浄化】は異物を一切取り除くというものだ。
 不死身の能力も異物と判断して取り除かれる。
 残るのはパワーだけもの凄い、再生能力の欠如した肉体だけが残される事になる。
 そうなれば後は自滅していくだけだ。
 身体の破壊を全く気にしない戦い方に慣れたゾイズマはそんなに簡単にはパワーを抑えられない。
 必ず身体に無理な行動を取り、身体が破壊されて行動不能となるのだ。
 カミーロは合掌した両手に息を吹きかける。
 そして、両手を離し、それを一瞬動きの止まった、ゾイズマの両胸に押し当てた。
 じゅわわわわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ……
 ゾイズマは両胸からどんどん浄化されていく。
 後は計算通り、ゾイズマは自らの身体を壊していった。
「うががかぁぁぁぁぁぁっ」
 叫び声はするが、ゾイズマにカミーロを圧倒するような戦闘力はすでにない。
 後は、放っておいてもゾイズマにはカミーロの邪魔になるような行動は取れない。
 黙っていても一日経てばゾイズマは消えるが、武士の情けとして、カミーロは【完全浄化】の手のひらを頭にも押し当てトドメをさした。
 思わぬ強敵だったが、ゾイズマを撃破したカミーロはコーサンを追いかける。
 ゾイズマとの戦闘で時間を取られ、彼女を完全に見失ってしまった。
 また、一から探さないと行けない。
 今度は彼女も警戒するだろう。
 同じ手が通じるとは思えない。
 滅びていっているとは言ってもまだ、グラン・ベルトの世界は広い。
 距離を置こうと思っている相手を探すのには骨が折れる。
 向こうは一定の距離を置くだろう。
 幻影を作り出すにしても一日経てば消えてしまう。