なぜならば、何もないこの地にもかつて栄えた伝説が残っている。
 語る者が居なくなって久しいが、伝説の存在はこの地の記憶が覚えている。
 一見、何もないこの地だが、カミーロはこの地の伝説とも戦わねばならない可能性がある。
 だが、その力は別に、この地に限ったことではない。
 あのまま、風の惑星ウェントスで闘ったとしてもその時は、ウェントスの地に記憶された伝説と戦う事になる。
 ならば、何処で戦おうとも同じことだ。
 向こうにはロック・ナックル達、仲間がいたが、正直、コーサンとの間には入って欲しくはない。
 彼女との決着は元恋人である自分が、自らの手で行いたいからだ。
 そう──これはカミーロとコーサンとの間の問題だ。
 例え苦楽を共にした仲間であっても邪魔されたくはない。
 滅びゆくこの地で殺し(あいし)あおうコーサン。
 カミーロはこれから殺しあうというのに穏やかな表情で歩みだした。
 歩いていくと、次第に、何もない荒野の様だったこの地に少しずつ町のようなものが現れてくる。
 恐らく、コーサンが力を使ったのだろう。
 この地のかつて栄えた記憶が現れてくる。