現在、世界は大きく分けると十二の勢力が支配しているとされている。
 細かく分けると百以上になるのだが、組織同士の繋がりとかを考えると十二の勢力に分類される。
 その十二の勢力のトップ組織は全て【兵宮】を所有している。
 だが、【兵宮】は調整者である【十型】が既に死亡しているので、再調整が利かない状態になっている。
 そのため、【兵宮】の多くはそのポテンシャル全てを解放される事なく、最下級である鉱兵を生み出す事しか出来ない状態となっている。
 鉱兵の戦闘能力はかなりのもので、一体の鉱兵の戦闘力は戦艦一隻と同等とされている。
 【兵宮】が生み出せる鉱兵は材料さえあれば、際限なく生み出せるので、戦力としてはかなりのものになる。
 そのため、【兵宮】は世界の最大戦力と呼ばれるのである。
 十二の勢力は鉱兵以外の戦力を生み出せる【兵宮】を多数所有しているため、トップ組織として君臨している。
 下部組織には鉱兵しか生み出せない調整不十分な【兵宮】が割り当てられている。
 下部組織は鉱兵だけでは、十二の勢力の持つ【兵宮】の戦力には勝てないので、従っているという状態だ。
 だが、この勢力図もバティストの残した秘術の解放しだいでは簡単に塗り変わる。
 それだけ、バティストの残した【万能師の知財】は世界で重要視されていた。
 そのバティストの血を受け継ぐ家族や、一桁代の調整者はどの組織にとっても取り込みたい人材であると言える。
 フェリクスやアウローラが追われる立場であるのもそのためだった。
 お互い追われる身――
 そんなに簡単には、歩み寄れない立場だった。
 下手に近寄れば命の危険に見舞われるかも知れないのだ。
 気にはなるが、近づけない。
 付かず離れずの微妙な間柄。
 それが、現在におけるフェリクスとアウローラの関係だった。
 その後もお互いの事が気になり、お互いの情報を集めたりはするが、近づけずという様な関係が続いた。
 気にはなるが関われない。
 そんな距離感が余計にお互いを意識させた。