残念ながら、未熟である彼は何処がおかしいという所まではわからないが、嘘の危険度くらいは察知出来た。
 そのため、危ないと思ったら、事前にその場を離れる事が出来ていた。
 認めたくはないが、父の知識のお陰で今まで無事だったとも言えた。
 何となくだが、自分がどう動けば、どういう展開が起きるかというのがほんの少しだけ見える――
 それが、彼の特技のようなものでもあった。
 なので、本来であれば、足を踏み入れないであろうこの場所にもなんとなく、こっちの方が良いという感覚に従ってこの地に来ていた。
 ――そう。
 彼は、この感覚により、運命の出逢いを果たそうとしていた。