第一章 アイアファイスの秘術


 母であり姉でもあるアンジェリーヌを残してフェリクス・セドリックは宛のない旅に出た。
 これからどんな出会いがあり、どんな冒険が待っているかはまだ見えてこない不安な旅となった。
だが、確実に、彼の知らない所で物語りは動き出していたのだった。

「追えー」
「草の根かき分けても探し出せ」
「こっちにも居ない、そっちはどうだ?」
「ダメだ、あっちだ」
「必ず生け捕りにしろ」
 男達の怒号が飛ぶ。
 脱走した少女達を探しているのだ。
 これで、一人も見つけられなかったら、彼らは失敗の責任を取らされ殺される。
 だから、必死で探していた。
 だが、もはや後の祭り状態。
 脱走した少女達の行方は解らなくなった。