このトーナメントは勝ち上がる度に抽選会が行われる。
 それは、前の戦いで対抗策を練りにくくするためでもある。
 これによって、選手は次にぶつかる相手以外は解らない状態が作られる。
 準決勝を勝てば、さすがに次の相手は解るが、それまでは次の相手は解らない状態でトーナメントが執り行われる。
 吟侍の対戦相手――それは、ステラだった。
 ソナタに続いて、幼馴染みを前世に持つステラが相手となってしまった。
 ステラとの戦いもどう対処したら良いのか困ってしまう。
 彼女とは戦いではなく、話し合いたかったし、これではまた味方?同士のつぶし合いとなってしまう。
 対戦相手を知ったソナタも微妙な表情だった。
 ステラの前世である依良 双葉(いら ふたば)とは彼女も幼馴染みだからだ。
 ステラにもソナタの時の様に、怪物ファーブラ・フィクタのちょっかいが入るかも知れない。
 そうなったら、また、戦いにくい状況になる。
 二度も同じ方法で解決出来るとは思いにくい。
 怪物ファーブラ・フィクタの事だから、今度は分離しにくい効果をしてくるかも知れない。
 また、ソナタは未来から来ているのだ。
 吟侍も知らない技術が数多く開発されているかも知れない。
 ソナタとはまた、別の意味で戦いにくい相手であることは間違いなかった。
「ちょっと、吟侍、ステラといちゃいちゃするんじゃないわよ」
 ソナタは激励のつもりでそう言った。
「は、はは、別に乳繰り合うんじゃないんだけど……」
「解っているわよ、そんな事は、ただ、ちょっと心配になっただけ」
「心配ないよ、彼女もおいらを殺そうとはしないだろうし……」
「そんなのわかんないわよ」
 とソナタ。