05 5回の予備戦吟侍VSソナタ


 第4戦も決着がついた事により、いよいよ、吟侍とソナタの戦いの時がやってきた。
「吟侍ぃ~殺してやるぅ~」
 ソナタは怪物ファーブラ・フィクタのちょっかいにより、吟侍に対してむきだしの殺意を向けてくる。
 そのままでいたら、ソナタに殺されてしまうかも知れなかった。
 吟侍としては黙ってソナタにやられてやる訳には行かない。
 仮にソナタのために殺されたとしても後で正気に戻ったソナタがショックを受けるのは目に見えている。
 だからこそ、吟侍の取るべき手段は、ソナタとの戦いで怪物ファーブラ・フィクタの呪縛を解き放つ事、ただ、その一点だ。
 吟侍とソナタの関係は故郷の星、セカンドアースのメロディアス王国にあるセント・クロス孤児院をソナタがカノンと共に政(まつりごと)の一環で訪問して来てからの付き合い、いわゆる幼馴染みという関係だ。
 最初はいがみ合っていたが、いつしか打ち解け、仲良く遊んだ間柄。
 喧嘩もしたし、仲直りもした。
 言ってみれば家族のような存在だ。
 やがて、7番の化獣ルフォスの力を手にしてからは吟侍はソナタに黙って小突かれるという選択をしている。
 潜在能力、パワーで圧倒的な差が生まれてしまったためだ。
 力任せにやりあっていたら、ソナタを殺してしまう。
 だから、吟侍は力を極力抑え、ソナタが吟侍をツッコむ時、自ら頭を差し出すようにしていた。
 それは、ソナタの方も理解していた。
 吟侍との力の差が圧倒的に広がってしまったため、吟侍は思いっきりやりあう事は出来なくなったが、それでもソナタの相手をしてくれる。
 そんな優しさもソナタは好きだった。
 だが、風の星ウェントスに来てからのソナタの急激なパワーアップにより、その関係は微妙に狂いが生じてきていた。
 ソナタも力任せに吟侍を攻撃してしまえば、吟侍を殺してしまう事もありえるのだ。
 思いっきりやり合えない――そういう関係になってしまっていた。
 それでも微妙な距離感でやっていこうと思っていた。
 が、それを怪物ファーブラ・フィクタのちょっかいで台無しにされようとしていた。
 ソナタは恐らく、本気で来る。
 吟侍を殺しにやってくる。