01 5回の予備戦フェンディナVS陸 海空(りく かいくう)


 王杯大会エカテリーナ枠の予備戦5回がまず行われる事になった。
 初戦で、吟侍はソナタとぶつかることになった。
 相手はソナタ。
 どうやって戦えば良いのか、いまいち判断がつかなかった。
 悩んでいると、申し出があったという事でソナタとの戦いは2番目以降になった。
 その申し出をしたのは茶屋で出会った破戒僧、陸 海空(りく かいくう)だった。
 彼の予備戦は4番目だったのだが、対戦相手のフェンディナもオーケーを出したので1番最初の試合に繰り上がった。
 予備戦なので、特に順番に制限はない。
 申し出があった順番に試合をしても全くかまわなかった。
 気の弱い穏やかな性格のフェンディナのことだから、相手の申し出を素直に受けたのだろうというのが真相だろう。
 フェンディナと言えば、穏やかな性格とは裏腹に恐ろしく高い、潜在能力を秘めている全能者オムニーアの少女だ。
 本来の力を出せれば、吟侍であっても勝つのは難しいと思える才能の持ち主だが難点はあの優しそうな性格だ。
 あの性格が思ったような力を発揮出来ずにいるのは吟侍にも解った。
 何にしても、彼女と戦う前に彼女の力を見ておきたかった吟侍はこの試合に注目した。
 フェンディナと陸 海空は戦いの舞台、超空洞ヴォイドの中央に設置された特設のリングの上に立つ。
 その十キロ四方のリングの上にだけ一応、重力と空気は確保出来ているが、後は基本的に無重力、無酸素の状態が続いている。
 吟侍やソナタも酸素をどうにかできる力を確保出来ていなければこの舞台で戦うことは出来なかっただろう。