どうだ、これが、俺達の姫さんだ。
 他の奴にこんな一文の得にもならないようなバカな真似が出来るか?
 彼はそう言って胸を張りたいくらいの気分だった。
 本来ならば、生意気な口を利いたユリシーズの首を跳ねようとしてもおかしくないブランク・ジャンキーだったが、彼の言葉は重くのしかかった。
 カノンに比べて、自分はなんて小さいんだと思えた。
 しばらく、考えて――ブランク・ジャンキーは、
「……俺は何をすれば良い……?」
 と言った。
 出来るだけの協力は惜しまない。
 それが彼の意思となった。
「右に同じ……」
 ブレセ・チルマも同意した。
 こうして、ブランク・ジャンキーとブレセ・チルマによる、一時的な不戦宣言は惑星アクア中に広まった。
 これ幸いと攻めて来ようとする他の上位絶対者達に対してもカノンは必死で説いて回った。
 とにかく、時間がない。
 まもなく、【スーパーナチュラル】は起きる。
 三名目の上位絶対者アブソルーターである、グラン・マスタスが攻め込んで来た時、カノンは決して攻撃をせず、防御だけをした。
 カノンに助けて貰った者達が助っ人に入り、油断していたグラン・マスタスに大きな隙が生まれた時も彼女は攻撃はせず、ただ説いた。
 それを見た時、グラン・マスタはブランク・ジャンキー達の時と同様に抱えていた【うしろめたさ】から、自身の恐怖に殺される病にかかった。
 そして、また、カノンは無言歌による救済行動を取った。