彼女について来たメンバーはいずれもカノンに助けられた経験がある。
 彼女に返しても返しきれないくらいの恩ならずっと受けてきた。
 大なり小なり、みんな悩みを抱えて来た。
 それを一緒に考えてくれたのは、一緒に悩んでくれたのはカノンだ。
 英雄と呼ばれた吟侍でもない。
 彼女だ。
 だからこそ、自分達はカノンの救出活動に参加したのだ。
 交渉で友達の救出活動なんて馬鹿げていると誰もが思ったのに、それでも、そんな事のために彼女を死なせたくなくて、これだけ集まったのだ。
 彼らだけじゃない。
 人数制限のために救出活動に参加出来なかった協力志願者は何万人もいた。
 そんな中、七英雄達はカノンの救出作戦には反対だった。
 イエスマンじゃない。
 反対意見だったのにそれでも、作戦メンバーにカノンは選んでくれた。
 ここで動かなきゃ何の意味がある。
 七英雄達はそう思っていた。
 救出作戦の参加メンバーだけじゃない。
 カノンはこれまで惑星アクアで色んな存在の心を開こうと一生懸命努力してきた。
 工夫もしてきた。
 涙もたくさん流した。
 血だっていっぱい出してきた。
 泥も被ってきた。
 そんな彼女だったからこそ、最初はかたくなだった、住民達は次々と心を開いてきてくれた。
 時には失敗もした。
 上手く行かず悩んだりもした。
 だけど、その失敗も彼女のあふれんばかりの優しさを際だたせた。
 トップスターであり、天才でもあり、発明家でもあり、皇女でもあった彼女は惑星セカンド・アースに残っていれば、幸せは十分手に出来ていたはずだ。
 だけど、不幸にさらされている人達を見て見ぬふりは出来ないと、彼女は危険な救出活動に自ら志願した。
 理由は吟侍にふさわしい女性になりたいからだと言っていたが、惑星アクアの救出作戦に名乗り出ただけでも、十分、それは果たしている。
 だけど、彼女はそれを良しとはしなかった。
 才能に頼る事無く、絶えず、人より努力して、挫折と向き合ってここまで来たのだ。
 ユリシーズ達は一番近くからそれを見てきたのだ。