惑星アクアに居る存在全ての気持ちを一つになど出来るわけがない。
 普通で考えればその様な答えが返ってくる。
 無理を言っているのはわかる。
 無理だと解っていても言わずにはいられない。
 一時で良いから争いを無くして欲しい。
「私を助けて下さい」
 カノンは切に願った。
 彼女を喉から手が出る程欲しくなったブランク・ジャンキーはカノンが彼の元に来るのであれば、争いを止めても良いと言いたかった。
 だが、同じように彼女を欲して自身の歌優として手にしているブレセ・チルマとの争いに発展するだろう。
 なので、それは、ブランク・ジャンキーにとってもブレセ・チルマにとっても難しい選択だった。
 それに、カノンの言葉はクアンスティータとクアースリータの名前を出している。
 誰もが避けて通る問題と彼女は真っ正面から立ち向かおうとしているのだ。
 あの恐ろしいクアンスティータの名前を出してひるまない存在が目の前にいる。
 こんな事はブランク・ジャンキーにもブレセ・チルマにも出来ることじゃない。
 彼女と何らかでも、繋がりを持ちたい。
 持ちたいが、恐ろしい。
 三日前まで襲っていた、恐ろしかった病よりも遙かに、ずっと恐ろしい化獣(ばけもの)と立ち向かおうとしているのだ、このカノンは。
 ここで彼女と関係を絶ってしまえば、カノンはずっと先を行ってしまう。
 遠い所へ行ってしまう。
 嫌だ。
 離れたくない。
 放したくない。
 だけど、クアンスティータは恐ろしい。