03 心を一つに


 目を醒ましたカノンはブランク・ジャンキーへの謁見を願い出て受理された。
 ブランク・ジャンキーとしてもカノンの優しさに触れた事により、少なからず、彼女に気を許していた。
 彼女に直接、一言でも、礼を言いたい。
 それが彼の本心だった。
 病を通して、彼女の心の温かさに触れたためだ。
 すっかり、彼もカノンのファンになっていた。
「その、なんだ、すまなかった。れ、礼を言いたいと思ってな」
 素直ではないが、彼なりの誠意だった。
 カノンは、
「ブランク・ジャンキーさん。お願いしたい事があります。ブレセ・チルマさんにもお願いしたいです。事は急を要します」
 と言った。
 お礼を言われる事をしたという気持ちよりも、疲れて三日も寝てしまったという事にカノンは焦りを感じていた。
 カノンは惑星アクアが陥っている状況を説明した。
 それはクアンスティータ学から始まって、的確に、惑星アクアが危機的状況になっていることを説明した。
 カノンの提案はこうだった。
 上位絶対者アブソルーターである、ブレセ・チルマとブランク・ジャンキーが声を上げれば、他の上位絶対者達も気持ちは動くのではないかとの事だった。
 今までのカノンの関係していた上位絶対者はブレセ・チルマだけだったため、例え、彼女が声を上げたとしても、他の上位絶対者は耳を貸さなかっただろう。
 だが、こうして、二名の上位絶対者が声を上げることによって、他の上位絶対者も無視することは出来ないのではないかとカノンは考えていた。
 この惑星アクアを支配しているのが上位絶対者であるのであれば、その影響力は星中に広まるのではないかと考えているのだ。
 惑星アクアは水の星であるが故に、何かが伝達しやすい状況になっている。
 その惑星アクア上での諍いがクアンスティータとクアースリータの双子の誕生時に影響し、クアースリータは不快感から、【スーパーナチュラル】を引き起こすのだとカノンは言いたいのだ。
 クアースリータの誕生が近づくに従って、惑星アクアの水はクアースリータの不快感を伝えやすくなっている。
 カノンはクアンスティータ学を駆使して、クアースリータの不快感を和らげる行動をとっていくので、それまで、休戦という形でも良いから、惑星アクアから争いというものを無くして欲しい。
 クアースリータ誕生が落ち着くまでの間でもかまわないので、争い事を遠ざけて欲しいと言いたかったのだ。
 それでも戦いたかったら、歌優制度があるので、歌優として戦ったり応援したりして欲しい。
 そのための助力ならいくらでもする。
 例え、僅かな期間だけであっても心を一つにして穏やかであって欲しい。
 憎む気持ちがあっても一時で良いから心の奥にしまっておいて欲しい。
 それがカノンの提案だった。