が、ゼルトザームの答えは思ったものとは違っていた。
「シアンさんに、パストさんでしたね。あなた方はそれでもカノンさんの親友ですか?何故、彼女の力を信じてあげられないのですか?本当に危ないと感じたなら、オリウァンコさんの時のように、僕は手を貸しますよ。手を貸さないのは彼女ならば、このピンチを切り抜ける力があると信じているからですよ。あの方のお気に入りのカノンさんには、不可能の一つや二つ超えてもらいませんとね。我々は、あの方の事をお任せしたいと思っていますので、頼りになるような存在になってもらいませんといけませんのでね。甘やかす事だけが、カノンさんのためになるとは思いませんのでここは黙って見定めさせていただきますよ、本当に彼女はあの方に選ばれた者なのかどうか」
 と言った。
 シアンとパストは「え?」とつぶやいた。
 彼女達でさえ、もうダメだと思われていたこの状況にこの道化はカノンを信じていた。
 ゼルトザームだけじゃない。
 カノン自身もそうだ。
 彼女の瞳は諦めたというようなものじゃない。
 目の前の危機を必死で解決しようという決意の色が見て取れる。
 カノンは【スーパーナチュラル】が原因の謎の病に対し、病で倒れた者一人一人のサポートに徹する事にしたのだ。
 病は気から――。
 病に打ち勝つのは本人でなくてはならない。
 カノンは城の兵の一人に至るまで名前を理解し、一人一人名前を呼んで同時に語りかける。
 癒しの女神御(めがみ)セラピアの化身である、彼女にしか出来ない事だ。
 時には優しく、時には強く、病で倒れた者達を励ましていった。
 途中、とうとう、シアンとパストも病に倒れたが、彼女達へのフォローも忘れてはいない。