「バカな、何を……」
 と疑うブレセ・チルマだったが、すぐに、彼女も自分自身が作り出した最も恐ろしい者に襲われだし、倒れてうなされ出した。
 立っていたメンバーの中ではやはり、絶対者アブソルーターであるブレセ・チルマが最も【うしろめたさ】を感じる度合いが強かった。
 そのため、すぐに影響が出たのだ。
 これはまだ、ブランク・ジャンキーとの一騎打ちの方が楽な状況だ。
 この城にいる全ての存在がこの厄介な病の治療対象となる。
 カノン一人だけでは荷が重い状況だった。
 そこへ、
 パチパチパチ……
「さすが、カノンさんですね。クアンスティータ学を研究されているだけあって、瞬時にこの状況をご理解なされたようですね」
 ──とまた、ゼルトザームが現れた。
 彼はクアンスティータのオモチャと呼ばれる存在。
 クアンスティータの属性である彼自身にはこの状況は何の影響もないのだ。
「ゼルトザームさん、これは……」
 カノンは答えを求めるようにゼルトザームに視線を向けた。
「お察しの通り、これは、脳や記憶とは別次元の特殊な病ですので、脳をどう、治療しても無意味です。癒しの女神御のお力を持つあなた様なら、病の侵攻は抑えられるかもしれませんが、根本的な解決にはなりませんね。さて、どうなさいます?」
 との答えがかえってきた。
 その言葉は、彼はカノン以外の者を助けるつもりが無いという事を意味していた。
 その後ろでは七英雄達も次々、バタバタと倒れていった。
 カノンのためと言いつつも、カノンの思惑と別の行動をしていた彼らもまた、【うしろめたさ】を感じて行動していたのだ。
 このままだと、シアンやパストが倒れるのも時間の問題だ。