また、後ろにティアグラが控えている以上、どんな手段を使ってくるか解らない。
 その対処をアリス達が行う事になるだろう。
 なので、琴太の緊急なレベルアップは必要不可欠となった。
 意を決したようにウェンディが近づく。
「かなり、痛いぞ」
 と彼女は言った。
 言葉数が少ない彼女だが、その真剣な表情から、琴太は自分が何をされるのか想像がついた。
「よろしく頼む」
 琴太は理解したように、頭を下げた。
 ウェンディは琴太と同化した。
 そして、その上からドロシーが錬金術を仕掛ける。
 アリスが、外科手術を行う。
「ぐぅおおぉっぉぉぉぉぉぉっ……」
 琴太は苦悶の表情を浮かべる。
 想像していたよりもずっと痛い。
 全身を引っかき回されて、内臓にも直接ダメージを喰らっているような感覚だった。
 その苦痛は一時間以上にも及んだ。
 やがて、ウェンディも琴太から分離した。
 彼女も琴太と一緒に激痛を味わっていた。
 口には出さないがかなり辛かっただろう。
 アリスは
「後は、身体が慣れるまで安静にしているしかないわね。よく頑張ったわね」
 と言った。
「へへっ、ちょ、ちょっと休ませてもらうわ……」
 と琴太。
 ドロシーは
「無理に喋らなくて良いわよ。無理矢理、ルフォスの欠片核に適応出来るように身体を強制的に調節し直したんだから、並の人間なら激痛でショック死していてもおかしくないんだからね」
 とねぎらった。
 それからまもなくして、琴太は意識を失った。
 気を失う前に信じられない言葉を聞いた様な気がしたが、それを疑問に思える気力は彼には残っていなかった。
 琴太が、気になった言葉――
 それはセレナータの言葉だった。