05 VS偲


 ドゥナの居る土の神殿に戻ると丁度、神殿を襲おうとしていたエース達と鉢合わせした。
 土の神殿は絶対者アブソルーター達にとっては不可侵の契約が結ばれている場所でもある。
 だが、化獣であるティアグラにとっては関係ない。
 ティアグラの配下になっているエース達にとっても当然、関係なかったのだ。
 つまり、土の神殿は必ずしも安全な場所ではないという事だ。
 アリス達の活躍でエース達は撤退したが、これからの対策を練る必要が出てきた。
 アリスは偲との決戦を提案した。
「偲とか?」
 琴太は躊躇する。
 偲がどの状態になっているか解らない以上、アンドリューの時の様な悲劇がまた起こるかも知れない。
「避けていたらどんどん状況は悪くなるわよ。やるの?やらないの?」
「わ、解った。やろう」
 琴太は偲との決着を決断する。
 だとすると、ウォワリの時間と空間を操る能力を手に入れたと思われる偲への対策が必要になる。
 結局、琴太はウォワリの能力を敗れなかった。
 背後から来たクティノスがウォワリを倒さなかったら、果たして勝てていたかどうか解らなかった。
 だが、実は先に戦いを終えていた、アリスはウォワリの能力をスキャニングしていた。
 そのため、ウォワリがどのような能力を使っていたかある程度、解っていた。
 まず、時間を操る力――
 これは大きく分けて、二種類使っていた。
 まずは、逆再生能力。
 この力は例えば、一分間この力を使ったとすると、次の1秒後はいきなり60秒後になる。
 そして、周りの状況全てが逆再生の様に60、59、58……というように時間が逆に流れていき、3、2、1ときたら、次は61秒後に飛ぶ事になる。
 つまり、時の流れを入れ替える力だった。
 もう1つは、時間を遡る力だ。
 この力で恐らく、ウォワリは過去に去ろうとしていたのだろう。
 例えば、攻撃が当たりそうな次の瞬間、時間を10秒巻き戻すと同じ行動を取るが対処が取りやすくなるという力だった。
 また、空間の力としては、別の空間同士を入れ替えるワープの様な力だった。
 琴太の居る空間を入れ替えられると一瞬、方向感覚がつかめなくなり、隙を産むことになるし、ウォワリの居た空間を入れ替える事で、瞬間移動の様な効果がある。
 時間の力も空間の力も非情に厄介な力と言わざるを得なかった。
 まともにぶつかれば今の琴太に勝機はないと思われた。
 能力を使われる前に一気に倒す。
 それぐらいしか勝ち目は無いという結論になった。