私達はそれぞれ別々の思惑を持ち、今後の相談をしていた。
 その時――
 ドックン……
 その場に居た全員が身構える。
 な、何、これ?
(怖い……怖い……クアンスティータ……怖い……)
 また、あの声だ。
 【ファイシャ】だ。
 あのドックンって音は何だったの?
 クアンスティータの胎動?
 それとも【ファイシャ】の心臓の音?
解らない。
 解らないけど、自分達の想像を超える何かが蠢いている。
 そんな不安をみんな感じていた様だ。
 本心を晒さないハイースやブリジットでさえ、目に見えての不安が伝わってきた。
「な、なんだったんだ、今のは?」
 武がつぶやく。
 その言葉を最後に、私達は全員、言葉を飲み込んだ。
 ニアエヴァの襲撃など、可愛いものだった。
 それだけ、今の鼓動はシャレにならないくらいの脅威を感じた。
 声、【ファイシャ】は怯えていた。
 ただ、クアンスティータが怖いと怯えていた。
 が、その怯えている事自体も怖かった。
 【ファイシャ】自体が怖かった。
 私達は途轍もないものを相手にしようとしているのか――
 そんな言い知れぬ不安と絶望感が私達を支配した。
 こんな時、吟侍君なら……
 最後に頼るのはやはり吟侍君しかいない。
 だけど、この星に吟侍君はいない。
 その事がたまらなく、怖かった。
 それでも私達の冒険は続く。
 逃げる訳にはいかないのだ。