「なんで、導造君の中にいるの?出ていきなさい」
(私はこの男の中が気に入っている。それを出ていけと言うのか?)
「そうよ。彼は、あんたを受け入れるような器じゃない。あんたがずっと居座っていたら、いつか、彼は壊れてしまう。そんなことを認める訳にはいかないわ」
(丁度いい隠れ蓑だったのだ。適度に臆病で、適度に力がある……)
「隠れ蓑?あんたみたいな存在が一体、何から隠れるっていうのよ?」
化獣クラスの力を持つ存在が隠れる理由なんてない──
私はそう思ったからだ。
(怪物ファーブラ・フィクタは言った。全ての死の力を受け取ってもクアンスティータには全くかなわない。全てを足しても足りないのだからと)
クアンスティータ?
また、出た。
クアンスティータなんて化獣が存在できる訳がない。
「あんた、クアンスティータなんて絵空事を信じているの?いる訳ないじゃない、そんなの」
(クアンスティータは誕生する。そして、怪物ファーブラ・フィクタの言っている事は間違いじゃなかった。あぁ……恐ろしい……恐ろしい……恐ろしい……)
ファイシャの怯える感情がこっちにまで伝わってくる。
本当にクアンスティータの事を恐れているんだ。
ここは、四連星の一つ、火の惑星イグニス。
クアンスティータが生まれるとされる謎の惑星ファーブラ・フィクタの近くにある惑星だ。
そんなに怖ければ、導造君から出て行って、どこか遠くの星に行けばいい。
なぜ、ここに居るんだ?
「そんなに怖いなら惑星ファーブラ・フィクタから離れれば良いでしょう」
(そうはいかない。ここには、私の手足が揃っている……)
手足?
そんな疑問を浮かべていた一瞬の隙をつかれ、私の心臓にどこからともなくやって来た腕が侵入してきた。
この腕の感じからするとこいつは女か。
「ちょっと、何を……?」
(不思議に思わなんだか?この男と今まで、一緒にいる事が……)
何を言っているの、こいつは???
「その手をどけなさい」
私は必死に抵抗する。
だけど、私の攻撃は全く効いてないようだった。
そのまま、私の心臓から何かを取り出す。
それを愛でるかのような声で──
(おぉ……よくぞ、ここまで育ってくれた。長かった。本当に長かった……)
と言った。
私の知らない何かをこいつは知っている。
何なの?
何が何だか全く分からない。
とにかく、怖い。
怖くて仕方がない。
導造君はいつもこんな不安な状態でいたのか。
導造君と同化しているはずなのにあたたかいどころか、寒い。
ガタガタ震えるようだ。
私は思わず、導造君との同化を解いた。
分離する私と導造君。
離れてみてわかったのは導造君の身体から何者かの上半身が顔を出していた。
いつの間にか様子を見に来ていたのかヘスティアとブリジットも同じ部屋に居た。
導造君から上半身を出していたそれは彼女たちの心臓にも手を伸ばしていた。
(これで三つ、わが元に……)
その上半身の女はニタリと笑う。
ヘスティアもブリジットも恐らく理解していただろう。
自分達が本気になってもこの女、【ファイシャ】にはかなわないと。
全く、我ながら、なんて失態かしら。
導造君をパワーアップさせるつもりが、とんでもないやつをたたき起こしてしまった。
(ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……)
【ファイシャ】は笑いながら、導造君の身体に戻っていった。
導造君はまだ、目を覚まさない。
私はヘスティアとブリジットと今起きた状況を整理することにした。
(私はこの男の中が気に入っている。それを出ていけと言うのか?)
「そうよ。彼は、あんたを受け入れるような器じゃない。あんたがずっと居座っていたら、いつか、彼は壊れてしまう。そんなことを認める訳にはいかないわ」
(丁度いい隠れ蓑だったのだ。適度に臆病で、適度に力がある……)
「隠れ蓑?あんたみたいな存在が一体、何から隠れるっていうのよ?」
化獣クラスの力を持つ存在が隠れる理由なんてない──
私はそう思ったからだ。
(怪物ファーブラ・フィクタは言った。全ての死の力を受け取ってもクアンスティータには全くかなわない。全てを足しても足りないのだからと)
クアンスティータ?
また、出た。
クアンスティータなんて化獣が存在できる訳がない。
「あんた、クアンスティータなんて絵空事を信じているの?いる訳ないじゃない、そんなの」
(クアンスティータは誕生する。そして、怪物ファーブラ・フィクタの言っている事は間違いじゃなかった。あぁ……恐ろしい……恐ろしい……恐ろしい……)
ファイシャの怯える感情がこっちにまで伝わってくる。
本当にクアンスティータの事を恐れているんだ。
ここは、四連星の一つ、火の惑星イグニス。
クアンスティータが生まれるとされる謎の惑星ファーブラ・フィクタの近くにある惑星だ。
そんなに怖ければ、導造君から出て行って、どこか遠くの星に行けばいい。
なぜ、ここに居るんだ?
「そんなに怖いなら惑星ファーブラ・フィクタから離れれば良いでしょう」
(そうはいかない。ここには、私の手足が揃っている……)
手足?
そんな疑問を浮かべていた一瞬の隙をつかれ、私の心臓にどこからともなくやって来た腕が侵入してきた。
この腕の感じからするとこいつは女か。
「ちょっと、何を……?」
(不思議に思わなんだか?この男と今まで、一緒にいる事が……)
何を言っているの、こいつは???
「その手をどけなさい」
私は必死に抵抗する。
だけど、私の攻撃は全く効いてないようだった。
そのまま、私の心臓から何かを取り出す。
それを愛でるかのような声で──
(おぉ……よくぞ、ここまで育ってくれた。長かった。本当に長かった……)
と言った。
私の知らない何かをこいつは知っている。
何なの?
何が何だか全く分からない。
とにかく、怖い。
怖くて仕方がない。
導造君はいつもこんな不安な状態でいたのか。
導造君と同化しているはずなのにあたたかいどころか、寒い。
ガタガタ震えるようだ。
私は思わず、導造君との同化を解いた。
分離する私と導造君。
離れてみてわかったのは導造君の身体から何者かの上半身が顔を出していた。
いつの間にか様子を見に来ていたのかヘスティアとブリジットも同じ部屋に居た。
導造君から上半身を出していたそれは彼女たちの心臓にも手を伸ばしていた。
(これで三つ、わが元に……)
その上半身の女はニタリと笑う。
ヘスティアもブリジットも恐らく理解していただろう。
自分達が本気になってもこの女、【ファイシャ】にはかなわないと。
全く、我ながら、なんて失態かしら。
導造君をパワーアップさせるつもりが、とんでもないやつをたたき起こしてしまった。
(ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……)
【ファイシャ】は笑いながら、導造君の身体に戻っていった。
導造君はまだ、目を覚まさない。
私はヘスティアとブリジットと今起きた状況を整理することにした。