だから、肌を合わせることにはなるけど間違ってもエッチはしませんのであしからず。
 という訳で――
 ガンッ!
「とりあえず、邪魔だから、眠っていてね」
 私はすっぱだかになった導造君を気絶させた。
 後は、夢でも見たんでしょ?という事にしておこうかな。
 私は、朱雀と化し、導造君の身体の中に入っていった。
 見たところ、導造君の身体の中はさして問題はなかった。
 彼の身体は、高位の能力に堪えうる構造をしていた。
 だけど、それをうまく、外に出力として開放できていない。
 どんなに強く練っても、体内の方で、パワーが拡散し、外に出力として開放されない状態になっていた。
 だとすると原因は内面、精神の方の問題か?
 外に本来のパワーを解放するのを極端に恐れている。
 そのため、実際に、外に出ている出力は10分の1どころか100分の1にも満たない。
 表に、力としてうまく放出されないから、自分はこんなもんなんだという気持ちが強くなり、閉じこもった感じになってしまっている。
 それが更に自信を失わせる事になっている。
 つまり、負のスパイラル状態になっている。
 だけど、吟侍君というキーワードで力は一気に解放されるようだ。
 その時、火事場の馬鹿力となって導造君は大きなパワーを発揮するんだけど、それは、秘めた力というよりは、導造君本来の力と言った方が良いみたいだ。
 そんな感じで、しばらく導造君の精神構造を探っていると──
(昔話をしましょうか……)
 私の精神に何か語り掛けるような声が響く。
「だ、誰?」
 私は思わず叫ぶ。
 言い知れぬ恐怖を感じたからだ。
 ここは吟侍君(ルフォス)の世界じゃない。
 だから、他の存在がいるはずがない。
 ここには、導造君の精神世界なのだから。
 私以外に他に存在がいるはずがないのだ。