02 導造を怯えさせていた者


 その日の晩、近くの宿屋に泊まる事になった。
 二人部屋を二つとった。
 一つはヘスティアとブリジットの正体不明コンビ。
 もう一つは導造君と私だ。
 実はこの宿を取ったのはわざとだ。
 導造君と二人きりになるためのだ。
「どどど、どうしたの、朱理ちゃん?いきなり……」
 導造君が動揺している。
 無理もない。
 私が服を脱ぎだしたからだ。
「しっ……黙ってて。私だってこんな事したくないのよ。良いから、あなたも服をぬぎなさい。そして、これはヘスティアとブリジットには絶対言わないでよ。絶対よ」
「は、はひっ、優しくしてね」
 これから私とエッチでもするかのような期待感を膨らませている導造君。
 だけど、おあいにく様。
 これは、あなたとエッチをするためのものではないのよ。
 私は朱雀の化身でもあるから、服が燃えないように脱いだだけ。
 他に他意はないわ。
 朱雀は朱雀でも本当の朱雀ではなく、ルフォスの世界の三つの核を融合させて生まれた朱雀である私の朱雀は、ルフォスの世界で生まれた力との相性がとても良い。
 だから、同じ、ルフォスの世界で生まれた力を持っている誰かの身体の中に入る事が出来るのだ。
 入ると言っても、同化するようなものだから私としてはこれだと決めた人以外とはしたくなかった。
 出来れば、同じ力を持つ龍也か虎児、武の誰かにやって貰いたかったけど、龍也は治療中、虎児と武は行方不明っていうんじゃ、私がやるしかない。
 私は導造君の身体の中に入って、彼の潜在能力を引き出す事にしたのだ。
 この貸しはでかいぞ、導造君。