12 第二の開拓冒険

 二つ目の開拓冒険地は、どうやら古代遺跡の様な場所だった。
 古代遺跡と言ってもかなり小規模で、せいぜい2、30人くらいが生活していたくらいのレベルの場所だった。
 あまりにも小さいので今まで見つからなかったといった所だろう。
 本当はその先のジャングルが目的地だったのだが、この遺跡を偶然、発見したので急遽、この場所を第二の開拓冒険の地としたのである。
 未開発の場所へと足を踏み入れるという事は、予定外の事も度々起きる。
 場所の変更もその内の一つと言えよう。
「Xくーん、こっちに何かありますよ~」
「何ですか、――あぁ、これは――またまた、大発見ですよ、卯月さん。貴女は開拓神(かいたくしん)に愛されているのかも知れませんね」
「へへ~、そーかな?」
「おだてに弱く、騙されやすそうなのが玉に瑕ですけどね(笑)」
「あー言ったな~気にしてるのに~」
「それは失礼――でも、僕は好きですよ。無邪気な感じで」
「それ、褒めてるの?」
「そうですよ」
「何か子供みたいとバカにされているような…」
「そんなことはありません。冒険者もそうですが、クエスト・ガイドにとって必要な要素の一つは純粋な探求心だと僕は思っています。そういう意味では卯月さんは他のクエスト・ガイドさん達より優れていると思いますよ」
「そうかな~――それ褒められてるのかな~」
「褒めてますよ。夢を無くした開拓者なんておかしいですからね。卯月さんは開拓者の素質があると思います」
「ありがと。Xくんがいなかったらまだまだ、ダメダメな私だけど、一日も早く一流のクエスト・ガイドになるように頑張るよ」
「期待してますよ」
「うん」
 何となく、Xくんと一緒に居るのが落ち着いて良い感じだな…
 卯月はそう思った。
 根角みたいに頼りになる…
 そう思った。
 そこまで思っていても正体が根角だと気付かないのが卯月らしいのではあるが。

 卯月が第二の開拓地で発見したのは古代のスイッチだった。
 どうやって作り出したのかは不明だが、縦3つ、横3つの九つの穴に、ある一定の法則で小石を入れていくと地下に仕掛けてある仕掛けが作動して何かがあるらしい事がわかった。
 仕掛けは複雑で、なかなかわからなかったが、二つだけ――
 地下のヒカリゴケが鏡に反射して天然のライトアップをしてくれるという事と、隠し井戸の出し入れが出来るという事はわかった。
 夜にライトアップすれば幻想的な雰囲気を楽しめるだろう。

 クエスト・ガイドは謎を全て解く必要はない。
 それは冒険者達の仕事だからだ。
 謎を全部取ってしまったら冒険者達の楽しみを奪うという事になってしまう。
 クエスト・ガイドは冒険者達のある程度の安全を守れれば、それで良いのだ。
 だから、クエスト・ガイド達は大体の謎の在処を把握し、その危険度を推測するというところまでが仕事だった。

 この場所ではさして危険なことはなさそうだった。
 後、推測出来た事は、遺跡の大きさから判断して、この遺跡の古代人は現在の人類より平均、20センチ程低い身長だったのではないかという事くらいだった。