06 合格

 そして、最終日の案内が済み、翌日、審査官から第三試験の合計得点が発表される事になった。
「気分はどうですか?」
「はい、すっきりしています。例え不合格でも私は全力で取り組んだ。それは間違いありません。後悔していないです」
「……そうですか……では得点の発表に移ります。九歴 卯月さん――あなたは、第二試験までの得点の合計が1480点ですね。合格するにはこの第三試験で920点以上取る必要がありますね」
「……そう……ですね……足りませんよね?……点数」
「ネガティブに考えるのは関心しませんね……今ので減点2点ですね」
 今さら2点減点されようが不合格には変わりない。
 そう思った卯月だが……
「第三試験の合計点数は930点ですね。それから2点マイナスですから928点です……合格です、九歴 卯月さん」
「えぇ?――でも、なんで?」
「…がですか?」
「だって、それ……」
 卯月はバッヂを指した。
「……あぁこれですか……前の所有者がつけて……」
「え?」
「いえ、何でもありません」
「ははっ……受かっちゃった……」
 あまりの意外な結果に狐につままれた気分になった。
 時間差で喜びが増していき、
「いやったぁ~!!」
 卯月は大喜びした。

 一方、師走は
「どういう事だ?卯月も合格だと?私の用意した審査官はどうしたんだ?……何?気絶してた?どういう事だ?」
 やはり、審査官を息のかかった人間にしようとしていたのだが、試験日になって他の娘達の時の様に誰かに気絶させられていて別の人間が試験をして合格させていたという事だった。
 結局、師走は裏工作をして、娘達全員の不合格を画策しようとしたが、全員、合格させてしまった。
 うなだれる師走。
 しばらく考えたのち、
「私だ……娘達の会社の事なんだが……」
 師走は一転、今度は娘達が決して、死なないように全力でサポートする事に切り替えた。