05 第三試験
「――では、初めて下さい」
「は、はい――」
審査官の号令と共に第三試験が開始される。
一日で行ける冒険を10日間、10人の客を案内する。
それが第三試験だった。
緊張して声がなかなか出てこない卯月。
それを察してか、審査官は
「どうかしましたか?」
と聞いて来た。
不味い、減点されてしまうと思い、慌てて、動き出した。
「牛田馬男さんですね。では、ご案内をさせていただきます」
牛田馬男はもちろんテストなので、偽名だ。
このモニターには別の本名がある。
だが、本名を使う必要はないので、ここでは偽名、偽プロフィールなどが使われていた。「へへへ、お姉さん、何処案内してくれんのぉ~♥♥」
「ご案内する前に簡単な適正テストを受けていただきます」
「はぁ?テスト受けてるのはあんただろ?なんで俺がテスト受けなきゃいけないんだよ~」
「はい、冒険には危険が付きものです。今回の冒険はある程度のスキルが必要となります。ですから、それに適したお力がない方にはご遠慮をお願いしております」
「おいおい、こっちは綺麗なねーちゃんといちゃつけるってゆーから参加したんだよ。聞いてねぇんだよ、こんなの」
「……そうですか――テストをお受けしていただけないのであれば、申し訳ありませんが……」
「ふざけんなよ、このアマ」
牛田午男は殴りかかって来た。
それを軽くいなし
「……申し訳ありませんが、不適応です」
と言った。
それを見ていた審査官は
「……それで良いのですか?」
と言ってきた。
「は、はい……この方は今回の冒険に出る事は危険と判断しましたので、ご遠慮を……」
「では、初日は冒険無し……という事でよろしいですか?」
「……はい……そ、そうですね……」
卯月はダメかも知れないと思った。
冒険の試験なのに冒険に行かない。
そんな試験は聞いたことがない。
審査官に助けてもらってはいないが、このモニターの試験が0点なら残り9人のモニターが仮に満点だとしても合格には20点足りない。
「……そうですか、では、明日の日程を……」
「明日は……」
その後は何をどう言ったのか覚えていなかった。
今回はダメかも知れない。
審査官は父のまわし者だし。
どうしようもない。
だけど後悔したくはない。
だから全力を尽くそう。
そう思った卯月は残り9日間、現在の自分が持てる全てを駆使して冒険の案内をした。
後悔はなかった。
「――では、初めて下さい」
「は、はい――」
審査官の号令と共に第三試験が開始される。
一日で行ける冒険を10日間、10人の客を案内する。
それが第三試験だった。
緊張して声がなかなか出てこない卯月。
それを察してか、審査官は
「どうかしましたか?」
と聞いて来た。
不味い、減点されてしまうと思い、慌てて、動き出した。
「牛田馬男さんですね。では、ご案内をさせていただきます」
牛田馬男はもちろんテストなので、偽名だ。
このモニターには別の本名がある。
だが、本名を使う必要はないので、ここでは偽名、偽プロフィールなどが使われていた。「へへへ、お姉さん、何処案内してくれんのぉ~♥♥」
「ご案内する前に簡単な適正テストを受けていただきます」
「はぁ?テスト受けてるのはあんただろ?なんで俺がテスト受けなきゃいけないんだよ~」
「はい、冒険には危険が付きものです。今回の冒険はある程度のスキルが必要となります。ですから、それに適したお力がない方にはご遠慮をお願いしております」
「おいおい、こっちは綺麗なねーちゃんといちゃつけるってゆーから参加したんだよ。聞いてねぇんだよ、こんなの」
「……そうですか――テストをお受けしていただけないのであれば、申し訳ありませんが……」
「ふざけんなよ、このアマ」
牛田午男は殴りかかって来た。
それを軽くいなし
「……申し訳ありませんが、不適応です」
と言った。
それを見ていた審査官は
「……それで良いのですか?」
と言ってきた。
「は、はい……この方は今回の冒険に出る事は危険と判断しましたので、ご遠慮を……」
「では、初日は冒険無し……という事でよろしいですか?」
「……はい……そ、そうですね……」
卯月はダメかも知れないと思った。
冒険の試験なのに冒険に行かない。
そんな試験は聞いたことがない。
審査官に助けてもらってはいないが、このモニターの試験が0点なら残り9人のモニターが仮に満点だとしても合格には20点足りない。
「……そうですか、では、明日の日程を……」
「明日は……」
その後は何をどう言ったのか覚えていなかった。
今回はダメかも知れない。
審査官は父のまわし者だし。
どうしようもない。
だけど後悔したくはない。
だから全力を尽くそう。
そう思った卯月は残り9日間、現在の自分が持てる全てを駆使して冒険の案内をした。
後悔はなかった。