03 試験運用期間…

 卯月の姉妹達は、少なくとも何人かは他にクエスト・ガイド候補を雇っているみたいだが、卯月の会社はまだ、従業員は卯月、ただ一人だった。
 というのも、花形の職業にするために、クエスト・ガイドの制服の研究にも時間を割いていたため、従業員の面接などをしている暇が無かったからだった。
 他の時間は自らの訓練にあてていたため、募集はしなかった。
 だから、卯月だけは頼れるのは自分自身のみだけだった。

 たった一人でのスタート――
 だが、それは、根角もたった一人で冒険をスタートをしていた事から一緒にやっているような気分にさせた。

 今は試験運用期間――
 委員会の決めた試験官がテストをして、それに合格出来なければ運営は更に一年引き延ばされてしまう…
 成績が悪すぎると営業停止もあり得る大事な試験だった。
 試験運用期間中に大きく分けて3000点満点の3つの試験が執り行われる。
 一つ目は筆記試験。
 医者や弁護士もビックリするくらいの高レベルの国家試験で1問1点で1000点満点の試験が行われる。
 そのテストで700点以上を出さないとその時点で失格という狭き門だった。
 二つ目と三つ目は実技試験だ。
 二つ目はクエスト・ガイドが弱くては話にならないので戦闘テストが行われる。
 1戦あたり100点満点で評価され、それが10回連続で行われる。
 5回までは試験官と――
 残る5回は実際に外の世界の怪物等との戦いで行われる。
 もちろん、何が起きるか解らない――
 助けてもらった時点で、その戦いの採点は0点。
 例え、勝っても戦い方、戦術、武器の扱い方等が評価され、100点満点になるとは限らない。
 それで、10回の試験の合計点数が700点以上でないと次の三つ目の実技試験に移る前に失格となる。
 三つ目の実技試験は運営試験。
 10人のモニターに参加してもらい、その10人を客として実際に近場に冒険に出てもらうというものだ。
 それを評価する審査官も一緒に同行するが、その審査官が助けに入った時点でそのモニターでの試験はやはり0点となる。
 あまりにも無謀と判断されれば、審査官が中止するが、客商売なので、基本的に冒険のプランは受験者に任せるというものだ。
 これも、モニター1人あたり100点満点で採点され、800点以上を取らないと失格となる。

 3つの試験を合計すると700+700+800で2200点以上という事になるが、三つの試験の合計は2400点以上を取らないと合格ではない。
 つまり、3つの内、どこかの試験で更に200点以上を取らないと合格として認めてくれないのだ。
 ぎりぎりの点数で合格という訳にはいかない…
 それが、この試験の難しさでもあった。