01 幼い頃の約束

「うづちゃん、俺、絶対、将来クエスト・ガイドになる…」
「クエスト・ガイド?何それ、ねずちゃん」
「うん、今、俺が考えた職業だよ。誰もやってない俺だけの職業さ」
「へぇー、どんな職業なの?」
「冒険者っているだろ」
「うん、いるね~、あちこち、旅している人だよね?」
「そうだね。だけど、今の冒険者って近場を冒険している人が殆どで本当の遠くを冒険している人って殆どいないんだってさ。知ってた?」
「そうなの――何で?」
「それは遠くの場所は未知の領域だからだよ。だから、少しずつしか進めない――」
「ふーん…」
「そんなのってつまんないと思うんだよね。だから、俺、冒険者達に道とか教える職業に就きたいんだ。そのためには、まずは、開拓して行こうと思ってる」
「危ないよぉ~」
 九歴 卯月(くれき うづき)は幼馴染みの江藤 根角(えとう ねずみ)を心配する。
「あ、こら、江藤の所のガキ、卯月お嬢様にまた、おかしな事、吹き込んでるんだろ」
「おかしな事じゃねーもん。俺の大事な夢さ」
「まて、こら、お嬢様達に近づくなって言われているだろうが」
「へっへーんだ。じゃーな、うづちゃん」
「うん、バイバイ…」
 卯月は根角の事が大好きだった。
 根角はいつも色んな夢物語を語った。
 全て、外の世界には何があるとかだった。
 アイディアマンの根角は様々な夢想で卯月を楽しませた。
 時々、卯月の知らない場所の写真を撮ってきては彼女に見せたりもしていた。
 将来、本当にクエスト・ガイドという職業が出来て根角がその第一号になるのではないか…
 そんな根角の夢に自分も付き合いたいと思う卯月であった。
「じゃあ、私、女性初のクエスト・ガイドになる」
「そしたら、写真の場所に連れてってやってもいいかな…」
「ほんと?」
「ほんとさ!」
「約束だよ」
「約束だ」
 それが、根角とかわした幼い頃の約束だった。

 根角はその後、成長し、数々の冒険をした後、消息をたった。
 理由はよくわからない…
 だが、危険な冒険に出ていたため、死んだという説もあった。
 しかし、彼の功績は大きく、行方不明ながらも彼は若くして12企業からなる【冒険者委員会】の名誉委員長に就任した。
 それは、卯月と根角が18歳の頃だった。
 卯月は彼の夢を引き継ぐ決心をした。
 そして、また、時は流れる…