「さて、気ままな一人旅。何処にいくか……」
 オルオティーナは目的を決めずに各地を転々としていた。
 移動しようと思えば、何億光年であろうと一瞬で移動する事が出来る。
 だが、宇宙の外側というのにはまだ、出た経験が無かった。
 マルチバース――宇宙は一つではない。
 宇宙の外側にはまた別の宇宙が広がっていて、その奥にはまた別の宇宙が広がっている。
 宇宙が変わるとその理もガラッと変わる。
 それまで当たり前の事に思っていたことが、全く通用しなくなる。
 一+一が二ではなく、三の世界もあれば、〇の世界もある。
 それまでの宇宙では存在が確認出来なかった新しい発見も多くあった。
 彼女は今まで、強さとは敵を叩き潰して証明するものだと思っていた。
 事実、今まではそれに習って来たし、疑いもしなかった。
 だが、宇宙の外側、宇宙ですらない場所などへの旅を続けるに当たって、強さとは証明するものではないという事に気づかされる。
 本当に強かったら、証明など、必要ないのだ。
 元々、強いのだから。