今回、いちまるろくいちろくの管理する【ドリーム・ルーム】の一つに来店したのはロゼロという少年だ。
 彼は、トルムドア・ワールドで生まれ育った少年で、クアンスティータより年上だ。
 クアンスティータの所有する宇宙世界はクアンスティータが誕生する前から存在する。
 そのため、宇宙世界を支配するクアンスティータよりも年上という事は決して珍しい事ではない。
 最も、クアンスティータの深層に入っていけば、年齢という概念も簡単に崩れるが。
 どっちが年上、年下という考えも無意味と化す。
 ニナの母体からではあるが、あり得ないとされる完全なる真空から生まれ出でるクアンスティータという化獣(ばけもの)は人間の取り決めた事柄の外側にいる存在なのだ。
 人間はこういうものだと理解できればある程度、言葉にすることができる。
 だが、クアンスティータという存在は突き詰めれば、言葉にすることができない状況、力などでも構成されている。
 そのため、クアンスティータを調べていけば、新しい言葉を考えて、それで代用していかなければ表現できないものも多々あるのだ。
 もちろん、それでも、言葉にできないものもたくさんある。
 それは、どうやっても、目で知覚することも表現する事すらできないものだ。
 そういうものが当たり前のように内在されているのがクアンスティータである。
 それが本体であるとか側体であるとかは関係ない。
 側体もまた、そういうものを内在させたクアンスティータなのである。
 他の存在にとっての最脅威であることに変わりはない。
 そんな側体の所有する宇宙世界もまた、広大かつ強大なパワーを秘めている。