だが、怪物ファーブラ・フィクタはどこか間違っている。
 神が嫌い、悪魔が嫌い、人間が嫌いはわかる。
 それだけの事をされたのだ。
 恨むなという方が無理がある。
 だが、レインミリーの生まれ変わりとして誕生したクアンスティータはこんなにも優しいじゃないか。
 この優しさに最強という立場を加えると、困るのはクアンスティータではないのか?
 心のどこかではその考えが間違っているかもしれないと思うからこそ、怪物ファーブラ・フィクタは自身の魂を七つに分けて、転生したのではないか?
 魔女ニナは確かに、クアンスティータを生むためには母体が七つ必要だった。
 だが、父親である怪物ファーブラ・フィクタは魂を七つに分ける必要はない。
 ニナに合わせたと言うのは方便で、実際は生き方を模索したかったのではないのか?
 怪物ファーブラ・フィクタの七つの魂の一つ、芦柄 吟侍(あしがら ぎんじ)という少年はその答えを見つけられるのかも知れない。
 条件付きにはなるだろうが、見事、吟侍とルフォスが自分を見つけられのなら協力しても良い──そう思うのだった。

 それまでは、この女達の楽園で、大化物(おおばけもの)ではなく、大馬鹿者(おおばかもの)でも演じてのんびりと待っているか──その考えをエンテオアは秘めていた。