鬼を退治するのは太郎。
 その事から、太郎プロジェクトと呼ばれる特殊な力を持つ人造人間が生み出された。
 怨認(おに)と呼ばれる異形の鬼退治をさせるためにだ。
 ラボ(研究所)で生まれた太郎達は次々に仲間を連れて、怨認退治に向かっていった。
 だが、誰一人、太郎達は帰って来なかった。
 怨認はそれだけ、強大な力を持っていたからだ。

 怨認――怨みを認めると書く、その鬼共は元々は六人の彫り師によって、作られた、木彫りだ。
 神の領域にまで達した六人の彫り師は生前、様々な芸術作品を生み出してきた。
 だが、時の幕府に絶望し、怨みを込めた木彫りをいくつも残してこの世を去った。
 それが長い年月を経て、現代で、怨認(おに)と呼ばれる彫り師の怨みを認めた鬼に変わり、暴れ出したのだ。
 通常の兵器がまるできかない怨認に対し、たどり着いた対抗策は昔ながらの伝承に従って、太郎と呼ばれる存在を生み出し、怨認退治を任せる事だった。
 そして、少年は二十四番目の太郎として生み出された存在なのだ。
 紗雪は二四太郎と名付けたかったみたいだが、少年の名前はその存在の由来に適した名前を持たせる事ではじめて意味を持つ。
 そのため、彼は【夢太郎(ゆめたろう)】と名付けられた。
 夢太郎は夢を見る事によって、夢に出てきたアイテムが起きた時、出現し、それを持って戦うタイプの太郎だからだ。