「小早川、小早川 神唯(こばやかわ かむい)はいるか?」
「先生ーっ、小早川君は今日もさぼりです」
「またか、しょうがないやつだ」
「あいつは変わり者だから、仕方ないですよ」
「落第するぞ、このままなら」
「いいんじゃないですか?」
 とある学校では教師と生徒が神唯の噂をしていた。
 会話からも読み取れるようにあんまり評判の良い生徒ではない。
 学校では浮いていた。
 良い学校を卒業して、エリートサラリーマンになるという出世コースからはすでに外れていた。
 このまま、世の中の歯車の一つとして生活していって良いのだろうか?
 この年頃ではありがちな悩みを抱えていた。
 何もかも捨てて、世界を旅に冒険してみたい。
 自分は他の奴らとは違う――
 その気持ちが強く、他の生徒とつるむ事を拒絶していて、いつも一人でいる事が多かった。
 神唯は今日も裏山で空を見上げながら昼寝をしていた。