序章 売られた男

「と、友規(とものり)どの、これは一体?」
 拙者の名は立花 勇作(たちばな ゆうさく)でござる。
 こんなしゃべり方をしているが立派な現代人でござる。
 拙者、ただいま、ピンチというやつでござる。
 見た目は美しいが、いささか凶暴そうなおなごに詰め寄られているのでござる。
 彼女の背後では親友の日下 友規(くさか とものり)殿が両手を合わせて謝罪のポーズをとっているでござる。
 彼女の名前は宍戸 百合愛(ししど ゆりあ)という。
 友規殿の幼馴染みらしい。
「友規はどうでもいーんだよ。俺はてめーに用があんだからよ」
 言葉遣いからも品が感じられない。
「せ、拙者にどのような用件が?こ、ここ、告白とか?」
 拙者は勇気を出して、質問した。
「何で、俺がてめーみてーないかくせー奴に告らなきゃなんねーんだよ」
「で、では、どのような?拙者、何もしてないでござるよ」
「何が拙者だ、こらっ、てめーは何時代の人間だ?」
「ひいっ、スマンでござる」
「まぁ、いいや、てめーをどうこうしたいってわけじゃねーんだよ俺は。解るか?」
「解らんでござる」
「いいから、黙って聞けや」
「はい……」
 拙者は股間が縮み上がったでござる。