僕は彼女の期待に応えられるのか?
 僕は本当に彼女にふさわしいのか?
 戸惑いを隠せない僕に――
「光輝君だって、最初は、へたっぴだったよ。誰でも最初は素人。コツコツやっていけば、みんな最高の舞台に上がれるよ」
 と笑顔で言った。
 そんな彼女が眩しかった。
 渚ちゃんは専用キャラクターコスチュームも作って貰えるようなトッププレイヤー。
 僕は量産コスチュームしか着させてもらえないような駆けだしの素人。
 彼女にふさわしい男になるための僕の挑戦は始まったばかり。
 僕は、彼女の事が大好きだ。
 ずっと、彼女の隣に居たい。
 彼女と付き合いたい。
 だから、どんなに惨めにうつっても、
 どんなに無様な醜態をさらしたとしても、
 最後には彼女との事を祝福されるような男になりたい。
 僕の途方もなく遠い遙かな挑戦はこうして始まった。
 僕にできることは遙かな目標では無く、まず、目の前の問題、次の相手に勝つ事だ。
 勝って、勝って、勝って、勝ちまくって彼女と一緒に夢を追うんだ。
 憧れの人に背中を押され、高嶺の花だった女の子に告白までされて、それに答えなきゃ、僕は男でいる資格はない。
 僕はそう、気持ちを奮い立たせた。
 今年は記念すべき、【ナリカク】誕生十周年記念イヤー。
 この年に僕は大きく羽ばたく予定だ。