序章 不器用な男

「ちょっと、何してんのよ?、あんた今日の主役でしょ」
 少し、気の強そうな少女が今日のパーティーの主役を誘う。
「いや、俺はここでいい……」
 が、当の本人はなんだかとても居づらそうだ。
 パーティーの主役の名前は仙硬(せんこう)という。
 本名ではない。
 目の前の少女、森入 胡桃(もりいり くるみ)が名付けた仮の名前だ。
 本名は別にある。
 彼は多くの虐げられていた人達を救った。
 今日はそのパーティーだ。
「何言ってんの。あんたが盛り上がらなくて誰が盛り上がるってのよ。さぁ、こっち来てってば」
「俺はこの場にはあわん。お前達で楽しめば良いだろう」
「だから、これはあんたの活躍を祝うパーティーなんだってば。あんたが居なくちゃ意味無いの」
「俺は俺の筋を通しただけだ」
 胡桃の誘いを断ろうとする。
 本当に居づらいのだ。
 自分はこんなに感謝されるような存在ではない。
 自分は多くの異能を持った化け物なのだ。