「行きなさい、フェリクス。行って、姉さん達と話してあなたなりの真実をその目で見極めなさい」
 アンジェリーヌはそれだけ言うと、目を閉じた。
 それは、もう行きなさいという合図だった。
「……行ってきます」
 あふれ出る涙をぬぐってフェリクスは駆けだした。
 彼が見えなくなった頃アンジェリーヌは目を開けて
「いってらっしゃい。待っているわ」
 そうつぶやいた。

 フェリクスは旅に出る。
 長女アンジェリーヌを別とすれば、彼の姉は十三名。
 次女 ミレーヌ
 三女 マリレーヌ
 四女 ジョセフィーヌ
 五女 カトリーヌ
 六女 レオンティーヌ
 七女 セレスティーヌ
 八女 エリアーヌ
 九女 ジャクリーヌ
 十女 ファビエンヌ
 十一女 ジュリエンヌ
 十二女 ロクサンヌ
 十三女 クリスティーヌ
 十四女 ヴィオレーヌ
 生き別れとなってしまった姉たちを捜して彼は宛のない冒険へと足を踏み出していった。