かつて愛した女は憎んでも憎みきれない程の憎悪の対象となった。
 リグレットにとってこれ以上の苦しみは無かった。
 まさに生き地獄だった。
 そんな絶望と共に生きていた彼はとある少女と出会った。
 茶色の魔女神マリスの配下に捕まっていたシリスだ。
 彼女は特殊な環境で育ち、さくら色の魔女神となりかけていた。
 彼女の父親が娘であるシリスを溺愛していて、彼女を美しい姿のまま、永遠に生かしておきたかった父親が、彼女の代わりに、九九名を惨殺、その生き肝を無理矢理、嫌がるシリスの口に押し込んだ。
 そして、百名目となる彼女の父親自身の生き肝をシリスは拒絶し、彼女は魔女神になりかけの中途半端な存在となった。
 だが、それは他の魔女神達にとっては格好のエサと同じだった。
 魔女神は他の魔女神を倒す事により、力をより増大させる事ができる。
 魔女神になる前の状態は力が使えないので、捕らえてから魔女神として覚醒刺せれば労せず、彼女を倒す事ができるのだ。
 ただし、魔女神同士は戦う事ができない。
 つまり、魔女神は魔女神を倒せないので、倒す時は魔女神の眷属にさせる。
 そのため、茶色の魔女神マリスは自身の眷属に彼女を捕らえさせて彼女を桜色の魔女神として覚醒させ、さらに殺害させようとしていたのだ。
 だが、捕まりはしたが、シリスも抵抗していた。
 彼女は桜色のランジェリーの上に水玉模様のランジェリーを重ね着していた。
 それによって、彼女は封印状態となり、マリスの眷属にも手を出せないようになっていたのだ。
 この状態のまま、無理矢理、生き肝を押し込んでも彼女は桜色の魔女神にはならないのだ。
 無理矢理、脱がしても意味は無く、あくまでも彼女の意思で桜色のランジェリー一組みにならないかぎり、彼女は桜色の魔女神として覚醒する事はないのだ。
 そのため、囚われの立場だったのだが、ある事情からリグレットはシリスを救い出す事になった。
 それはマリスの眷属にからかわれたのが原因だった。
 憎悪を向ける相手に完全支配されている情けない男――
 その事をからかわれた時、リグレットの中の何かがぶちギレた。
 そして、売られた喧嘩を買ったかの様に、リグレットは返礼として、シリスを救い出したのだ。