しばしのにらみ合いの後、また、前回同様に、十三本ずつの腕が上がる。
やっぱり、それぞれ、握り拳状態だ。
前も言ったが、最大十三回戦って、勝ったら、チョキ、負けたら降参のパーになる。
先に七本チョキを出した方が勝ちっていう勝負だ。
二人は俺の頭の中の調理場を巡って争う。
負けた方は弁当が作れず、明日は購買部でパンでも買うのだろう。
二人の戦いが再び始まった。
まず一戦目はカラオケ勝負だ。
勝敗は俺が曲名を当てられた方が勝ちというものだ。
二人とも美声で、俺は思わずウットリする。
好きな女の子達が交互に歌ってくれるのだ。
最高なシチュエーションの一つと言っても良いだろう。
だけど――だけどさ……。
二人とも選曲がマニアックすぎて曲名が解らないんだよ、これが。
確かに上手いし良い曲なんだけど、もうちょっとメジャーな歌を歌って欲しいんだよな。
これじゃ、俺がわからんわ。
もっとメジャーな歌手とかの歌なら解るんだけど、聞いたことない曲を連発されて俺は戸惑った。
「契約者しょーすけ、遠慮する事はない。どどーんと私の曲名を答えるがよい」
だから、曲名がわかんねぇんだってば。
「ふっ、そんなマイナーな曲が解るはずもない。さぁ、私の曲名を答えなさい、契約者しょーすけ」
いや、でもちゃんのもかなりマイナーだと思いますけど。
「さぁ!」
「さぁ!」
二人の美少女に詰め寄られる俺。
だけど、答えようがない。
だって知らねえんだもん。
結局、二十曲ずつ歌ったけど、俺が知っている曲は一切出てこなかった。
この試合はドロー、引き分けに終わった。