「いえ、どういたしまして…どうしたんですかちょっと涙声みたいな感じですけど?」
「何でもありません…それより、そろそろ良い頃合いです。僕の方の寄り道に付き合ってもらえますか?」
「はい、良いですよ」
そう言うとここからそう遠く無いXくんの指定した場所に歩いて向かった。
道中…
「…本当はね、僕は今回だけにしようと思っていたんですよ…貴女と冒険をするのは…」
「そう…ですか、それは残念です…冒険、とても楽しかったですから…出来ればまた…と私は思っていたんですけど…」
「僕もですよ」
「え?」
「僕も貴女と一緒に冒険したいです。僕もとても楽しかった。だから、お別れするのをやめました」
「はい?あの…意味が…?」
「僕は訳あって、まだ、覆面を外せません。こんな僕でも一緒に居て良いですか?」
「…はい。こちらこそよろしくお願いします」
「覆面は来るべき時が来た時には外します。それまで待っててくれますか?」
「外したくないという人から無理矢理取ろうとなんて思いませんよ。外しても良いと思った時に取ってください」
「…ありがとう…着きました…ここが僕が寄りたかった所です」
「え?…わぁ…」
卯月が見たのは森の隙間から見える夕日だった。
特別に美しいという訳でもない…
でも、この光景は見たことがあった。