とりあえず、目的としていた三カ所を回り、二人は帰り支度を始めた。
「あ、あのさ、Xくん…帰りにちょっと寄り道して良いかな?」
「奇遇ですね。僕もちょっと寄りたい所があると言いたかったんですよ」
二人はマップを見て寄り道の場所をお互い指さした。
幸い、二人の寄り道の場所は近い位置にあるらしく、今の場所から事務所に戻るまでにはXくんの行きたいところを回ってその後に卯月の行きたい所を通り、戻った方が近かった。
「じゃあ、Xくんの所を通って、私の所に寄って戻るって事で」
「いや、ちょっと遠回りになりますけど、卯月さんの所を先にって事で…」
「え?何で?」
「その方が都合が良いんですよ」
「ふーん…まぁ良いか…じゃあ、それで…」
卯月の寄りたかった所…それは幻の畑とされるモンスターが作る畑でモンスターエデンと呼ばれている場所だった。
ここは既に試験期間中にきていた場所だったので、開拓冒険とは言えなかったが…
「この畑で作られる怪物芋…名前からすると大きいイメージがありますけどね…とてもちっちゃいんです。そのお芋…幼馴染みの大好物なんですよ…だからここへ来た時は少しだけお裾分けをいただいているんです」
幼馴染みとは根角の事だ。
(覚えていたのか…)
Xくんはそう思った。
「…一ついただいて良いですか?」
「はい、どうぞ、噴かすとおいしいですよってそれ生ですよ…」
「生でもね…結構いけるんですよ…栄養学的には駄目なんですけどね(笑)」
Xくんは美味しそうにゆっくりと噛みしめた。
そして…
「ありがとう…嬉しかった」
と言った。