「どうしますか?僕で良いですか?」
「はい、渡りに船とはこのことです。よろしくお願いします。あの…審査官さんのお名前はなんとお呼びすれば…」
「…そうですね…僕の事は【Xくん】とでもお呼びください」
「え、Xくんですか?それはちょっと呼びにくいと言いますか…」
「一匹オオカミ君でもかまいませんが…」
「え、Xくんでお願いします…」
 卯月はかなり怪しいとは思ったが、藁にもすがる思いで、Xくんを雇う事にした。
 素性は全くわからないが試験の時の身のこなしからただ者では無いと思っていたので、その腕を信用して採用したのだ。
 何はともあれ、これで営業する事が出来るようになったのは喜ばしい事だった。