それを見ていた審査官は
「…それで良いのですか?」
 と言ってきた。
「は、はい…この方は冒険に出る事は危険と判断しましたので、ご遠慮を…」
「…では、初日は冒険無し…という事でよろしいですか?」
「…はい…そ、そうですね…」
 卯月はダメかも知れないと思った。
 冒険の試験なのに冒険に行かない…
 そんな試験は聞いたことがない…
 審査官に助けては、もらっていないが、このモニターの試験が0点なら残り9人のモニターが仮に満点だとしても合格には20点足りない…
「…そうですか、では、明日の日程を…」
「明日は…」
 その後は何をどう言ったのか覚えていなかった。
 今回はダメかも知れない…
 審査官は父のまわし者だし…
 どうしようもない…
 だけど後悔したくない…
 だから全力を尽くそう…
 そう思った卯月は残り9日間、現在の自分が持てる全てを駆使して冒険の案内をした。
 後悔はなかった。