「がぁぁぁぁぁあっ!」
 【ダボク】をふっ飛ばす利休。
 力の差を感じた【ダボク】はたじろぐ。
 完全な形勢逆転だった。
 もう、【ダボク】は怖くない…
 いつもなら調子に乗る所だが…
「一応、言っておく。てめぇは決して弱くはねぇ…強敵だった…だから、俺はここまで成長出来た。てめぇには感謝してる!【疫病神】に言うのもなんだが…サンキュー、ありがとな」
 利休は敵に感謝をしてみせた。
 今まででは決してあり得なかった事だ。
 その点からも彼の心の成長が伺えた。
 【ダボク】は別の世界へと逃げていった。
 利休はそれを追わなかった。
 【ダボク】は別の世界でも暴れるのだろう…
 だが、【ダボク】を倒すのは【千桐】を追って異世界を回っている勇者の仕事だ。
 利休がやることではない…。
 彼はそう思った。
 【疫病神】を見逃す事がどんな災厄を巻き起こすのかは解らない…。
 だが、他の勇者の可能性を奪ってしまう事は彼には出来なかった。
 利休も【希世姫】を追って世界を渡る者だから…