無敵を誇っていた元の世界での武勇伝は遠い過去のように思えた。
西高の三人に虚仮にされてから負け癖がついてしまっているようだった。
その後も詠稀に情けをかけられ、初戦である対【ダボク】戦は無様な負けっぷりを披露してしまった。
正直、冒険に行くと決まってからの修行と呼んでいた行動もどこかお遊びの様なものだった。
本気でやっていなかった…
今回の負けで自分は弱いと思い知らされた利休は人が変わったように修行を開始した。
冒険に行く前のモドキとは違う、身体をいじめ抜いた本気の修行だった。
それを見ていたハチも触発されたのか、気持ちを切り替え、情報収集を頑張った。
門前払いが多かったが、それでも土下座をし、取引をして少しずつ情報集めをしていった。
冒険前の浮かれていた二人じゃない…
もう、立派な冒険者の目をしていた。
負ける事は決して悪いことばかりじゃない…
見えなかった物も見えてくる事もある…。
失うこともあるが、逆に得ることだってあるのだ。
二人は信頼こそ失ったが冒険者にとって大切な事得た。
二人は運が無い訳ではない…
この初戦が【ウツ】だったならば、二人の命は無かっただろう…
【ダボク】が相手だったからこそ、自らを改め、冒険者となることが出来たのだ。