利休たちは珍しく真面目に特訓に取り組み、あっという間に出発の前日になった。
「りきゅーくん、俺、三人もパンツ見れたぜ!」
「へっ、俺なんか割れ目まで確認出来たぜ!ありゃ、すげぇ食い込みだったな」
 相変わらず、ハッタリをかましていた。
 だが、高さにも大分慣れ、自由にとまではいかないが、かなりの範囲を飛び回る事ができるようになっていた。
「それだけ出来れば、後は自分達でやれるな…」
「けっ、てめぇに借り作ったまんまだと面白くねぇから、一回だけ、ピンチになったら助けてやんよ。感謝しろ」
「…いらないよ。あんたに助けてもらうようになったらおしまいだよ」
「…そう、言うなよ。俺に助けてもらえるなんざ、なかなかねぇ事だぜ」
「なれなれしい…俺は一足先に行かせてもらう。本当に冒険に行くか行かないかは一晩よく考えるんだな」
「へっ、今更、止められっかよ!命がけぇ?上等だこらぁ!!」
「口先だけは立派だな。せいぜい、頑張んな」
「すぐにてめぇも抜いてやる」
 利休たちと詠稀…
 決して馴れ合うという事は無かったが不思議な絆のような感覚が芽生えていた。
 舌を出し、中指を立てて先に行く詠稀を見送った。
 利休達は親や知り合い等に旅に出ると別れを告げ、学校に退学届けを出して明日に備えた。