「ひー…りきゅーくん、高い、高いって」
「うるせーな、ハチ、入り口は空にあるっつってたろーが」
「でも、高けぇってば、落ちたら死んじまうって…」
「くぅるぁ~ハチ、命賭けるっつったろーが」
「ここで死んだら犬死にだって。こんなとこで死にたくねーよー」
「俺だってそうだ。まだ、なんもしてねぇんだからよぉ!」
「ひー、怖えぇ…」
 出発を一週間後と決めて、毎日、30分、高さに慣れるためにトラベル・フェザーを使って空高く飛び上がる練習をしていた。
 異世界への入り口は上空1000メートル以上にあり、まずは、この高さに慣れる訓練からはじめていたのだ。
 実際に飛び上がって見ると上空の方ではチラッチラッと希世姫達の姿も見えた。
 彼女達は短いスカートを履いているので、いつもの利休達なら下からパンツでも覗いている所だが、あまりにも高い位置にいるので、その余裕は無かった。
 実は、二人とも高所恐怖症だった。
 まずは、この高所恐怖症の克服をすることからはじめるしかなかった。
 一日30分しか飛べないので、降りてくると二人の腰はガクガクくだけ、ヘロヘロになって地面に尻餅をついていた。
 下で待っていた詠稀が
「…情けないな…そんなんでよく…」
 と嘆息したが…
「ううう、うるせぇ~、これでも上で【希世姫】のねーちゃん達のパンツ覗いてくるくれぇの余裕はあったぜ、ありゃ~黒だな、うん、そうに違いねぇ…」
 と答えた。
 もちろん、ハッタリ、嘘である。