所変わり、とある異世界の入り口付近では、利休の夢に出てくる女の子達…
 【希世姫】達が飛び回っていた。
 そんな中に、夢の世界で利休が声を聞きそびれた女の子もいた。
 彼女の名前は【千種(ちぐさ)】…。
 夢多き人間に夢を叶えるチャンスをあげる少女である。
 彼女達は夢を追う人間に近づいては離れ、また、近づいては離れを繰り返し、夢追い人を冒険へと誘う存在だった。
 夢追い人達は夢の化身である彼女達を追い求め、彼女達を追いかける。
 彼女達を捕まえた時、その夢は叶うだろう…
 夢が多い分、追う【希世姫】の数も増える…。
 利休が追う【希世姫】の人数は7人…。
 つまり、七つの夢を持っているという事だ。
 だから、七又をかけるというような事とは違う。
 純粋に七つの夢を追っているのだ。
 夢を追っている感じで彼女たちを見ているため、彼女たちと関係を持ちたいという気持ちとは違っていた。
 ただ、追いたい。
 彼女たちを捕まえたい。
 【恋】や【愛】とは違う【夢】を追っている感じだ。
 その事からも彼女は人間ではないというのは何となくわかっていた。

 【千種】はそんな利休の夢の化身の一つ。
 彼女は利休の【歌いたい】という夢が身体を得たものだ。
 だから、利休の望む彼女の【声】をなかなか聴き取る事が出来ない。
 何となく、彼女はとても美しい美声で歌う…
 そんな気がするのだが、利休にはその声を聴けないでいた。
 なかなかかなえられないからこそ、彼女は利休の【夢】なのだ。