「ひでぇな、リキューくん、俺、何にもしてねーのに…」
「したんだよ、俺にとってひでぇ事をな。一発ですませてやったんだ、ありがてぇと思え!」
「そりゃねーよ」
「うるせぇっつってんだよ、で、何だよ、起こしやがって」
「あ、そうだ、西高のやつらがさー」
「ち、また、それか…俺はもう、卒業したんだよ、そんなのは…」
「そう言わないでくれよ、あいつらひでぇんだぜ、」
「…解ったよ、後で頭をブッ潰しゃーいーんだろーが」
「ありがてぇ、サンキューリキューくん」
「ったく、西高くれぇ、てめぇでやれねぇのか、ハチ」
「リキューくんみてえにバケモンじみた力持ってねぇよ、俺は」
「だれがバケモンだ。それより喉乾いた…」
「あぁ、はい、トマトジュース。好きだね、リキュー君」
「うるせぇな、俺はこの酸味がたまんねーんだよ」
「はいはい…ところで話、変っけど、リキューくん何の夢見てたんだ?何か顔赤いぜ?」
「うるせぇっつってんだろ」
「わかったよ、怒鳴らないでくれよ」
舎弟であるハチにも秘密にしている利休の見る夢…
それは女の子の夢だった。
正直、言い寄ってくる女の子がいない訳じゃない。
ちょっと悪い感じの少年が好きな女の子はいつの時代にもいる。
敵無しとまで言われた利休に言い寄ってくる女の子は10や20ではなかった。
数百人単位でいたので、選り取り見取りだったのだが、ある夢を見るようになってからはどうしても現実の女の子と深い仲にはなれなかった。
利休は夢の中に登場する女の子たちに心を奪われてしまっているかのように、現実の女の子たちに対して、魅力を感じなくなってしまっていたのだ。