「リキューくん…」
(やった…やっと彼女の声が聞けた…)
 利休はそう思った。
 ところが…

「リキューくん、リキューくん…」
 目が覚めるとそこには彼の舎弟、八田 吉太(はった きった)が彼を呼んでいた。
 ガツン!
「てめぇかぁ、ハチ!」
「痛ぇよ、リキューくん…」
「うるせぇ、てめぇの声がインプットされちまったじゃねーか」
「なんの話?」
「何でもねぇよ」
 ハチ、こと八田を殴ったのはこの物語の主人公、淺野 利休(あさの としやす)。
 淺野を【せんの】と呼び変え、としやすを【りきゅう】と呼び変えれば【千利休】となることから、よく【りきゅう君】と呼ばれていた。