「何だよ、今日の合コン…一人除いてハズレばっかじゃねーか」

 新倉 行成(にいくら ゆきなり)は愚痴をこぼす。

 行成は彼女に内緒で合コンに参加していた。

 だが、参加者の中に彼の好みの女性はいなかった。

 一人を除いて…。

Pan07sashi05


 行成のお眼鏡にかなった女性、妹尾 和那(せのお かずな)は彼のさえない友人がお持ち帰りしてしまった。

 ちょっとした浮気心で参加した合コンだったが、和那が行成にとってど真ん中のストライクな女性だったので、友人に奪われたのが悔しくてたまらなかった。

 行成はどちらかと言うと明るい女性が好きだったが、和那はどことなく影がある雰囲気だった。

 無口で殆どしゃべらず、合コンでも脇役に徹していた。

 美人なのに何故か誰も彼女に声をかけなかった。

 影が薄いのかとも思ったが、印象はかなり不思議な女性だった。

 誰も狙わないのなら自分がとお持ち帰りをするために、身だしなみをチェックしようと一旦、トイレに…。

 二人で抜けだすつもりで、トイレに行く前に、彼女にメモを渡したのだが、彼女はいくら待っても来なかった。

 しびれを切らして、合コンの場に戻って見ると、数あわせで参加してもらっていた友人と一緒に帰ったと言われた。